海の波を映し出す新たなダイニングスペース「アリーナキッチン」

ノヴァス・ペネトラリスが提案する、自然と調和したレストランデザイン

香港の主要な会場であるアジアワールドエキスポに新たに誕生した「アリーナキッチン」。そのデザインは、海の波をイメージした有機的な曲線が特徴で、自然の美しさを取り入れた空間が広がっています。

アリーナキッチンは、従来のレストランから洗練されたオープンフロアのレストランへと生まれ変わりました。ダイニングバーエリアと屋外のカフェスペースは、マーブルのタイルと波のようなパーティションで区切られ、それぞれが独自の空間を持っています。カフェエリアは自然光が豊富で、天井から壁、バーカウンター、可動式の家具に至るまで、波のカーブが続いています。木製のアクセントウォールが空間と店舗の外観を飾り、あらゆる場面に温かさとスタイルを加えています。

このデザインの実現には、LEDライトを用いた調光機能が活用されました。天井から流れるように広がる曲線は、プロジェクションウォールに自然につながり、空間全体にバランスと開放感をもたらしています。可動式の家具は、空間を最適化し、オープンフロア上の波形のパーティションと連続したリズムを形成します。基調となる中立色のパレットは、ウッドベニヤのパネルと組み合わせて温かみを出し、マーブルのテーブルトップはクラス感を演出します。7mのバーカウンターは、フローリングのディスプレイ棚と調和するように、フェイクマーブルの仕上げが施されています。

レストランの内部と外部のスペースはそれぞれ1700平方フィートで、マーブルのテイクアウトカウンターがオープンフロアプランに流れ込んでいます。可動式の家具と波をイメージしたパーティションが並び、さまざまなイベントに対応するバックドロップとなっています。白いアクリルの特徴的な壁(テーマに応じて更新)が中心に位置し、ウッドベニヤの家具とフィクスチャーがそれを補完しています。丸い天井は自然にプロジェクションウォールに変化し、エキスポへの連絡ドアを巧みに隠しています。

このプロジェクトは2020年6月に始まり、同年10月に完成しました。設計チームは、設計と改装プロセスが香港空港局の厳格な規制に従うように、クライアントと施設管理チームと密接に協力しました。プロジェクトは、概念から実装までわずか4ヶ月という短期間で完成し、その結果は厳密なリサーチとクライアントとのミーティングの産物でした。開店直後には、パンデミックの中でビジネスが即座に増加したとクライアントから報告がありました。

最大の課題は、レストランが位置する空港周辺の各機関が課す建築規制と厳格な要件を完全に満たすことでした。有機的な波形デザインを採用することで、どの家具やフィクスチャーにも鋭いエッジや目地線が存在せず、シームレスな連続性を作り出しました。空間を最大限に活用するため、すべての家具、パーティションを含め、移動可能で簡単に収納できるようにしました。

このデザインは、2021年にA'インテリアスペース、リテール&エキシビジョンデザイン賞のブロンズを受賞しました。この賞は、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、強力な技術的・創造的スキルを発揮し、生活の質を向上させ、世界をより良い場所にすることを評価して授与されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Novus Penetralis Limited
画像クレジット: All Images: Photographer William Fung, Arena Kitchen, 2020.
プロジェクトチームのメンバー: TENNIEL TSANG KATHY LI ELVA TAM
プロジェクト名: Arena Kitchen
プロジェクトのクライアント: Novus Penetralis Limited


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Arena Kitchen IMG #5
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